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ピーターと弁護士(1)


「今回はプロコフィエフか!」と思った方、はずれです。(誰がそんなこと思うんじゃ!)

ピーターというのは、「ピーターの法則」のピーターですね。この「法則」を発見した人が、自分の名前を付けたという法則ですから、かなりふざけた内容ではあります。ご存知の方も多いと思いますが、一応説明しておきます。

この法則の問題意識は、何だって組織には能力のないエライさんが多いのかというものです。
(私も、サラリーマンが長かったものですから、自分のことは棚に上げて、この問題意識自体には、全くその通りと言いたくなるのです。)
ピーター先生によりますと、これは組織としての宿命であって、避けられない事態なんだそうです。会社にしろ何にしろ、組織として発展していくには、優秀な人が必要になります。できる人を出世させて、ますます活躍してもらわないと、組織は衰退していきますね。

そこで、たとえば、セールスの仕事をうまく出来る人を出世させて、今度はマネージャーとして部下を持たせるような地位に就けるわけです。ところが、自分で売るのが上手な人が、必ずしも部下の扱いがうまいわけではありません。
そうしますと、部下のコントロールがうまく出来ない人の出世はそこで終わることになります。つまり、能力を発揮できない地位で、その人の出世は終わるわけです。

組織のヒエラルキーの中で、こういったことは繰り返されます。セールスマネージャーがうまくできた人は、もう一つ上の地位に上がります。ところが、新しい地位では、これまでとは違う能力が必要とされるわけです。

これがうまくできない人は、そこで出世はストップします。
つまり、あらゆる人は、自分が能力を発揮できなくなった役職に留まることになるわけですね。そうだとしますと、組織の中で、ある地位では能力を発揮できない人が、その地位に居続けることが当然に起こるというのが、ピーターの指摘なわけです。

ピーターによりますと、こういった問題を起こさない解決策の一つは、能力以外の理由で、人を差別的に扱うことだそうです。たとえば、イギリスのような階級社会ですと、下の階級の人は、たとえどんなに優秀でも、一定以上は出世できません。しかし、このことによって、優秀なまま、一定の地位にとどまる人が生じます。

そうだとしますと、私も弁護士の端くれですから、全ての人を平等に扱うべきと言いたいのですが、差別があることで、組織全体で見たときの健全性が保たれるなんてことがあるのかもしれませんね。

日本の官僚制度でも、ノンキャリアの人に、非常に優秀な人がいるなどということはよく聞きます。万年係長の男性よりも、同じ立場の女性の方がはるかに優秀だと経験上感じているのは、私だけではないと思います。女性の場合、たとえ優秀でもそれ以上出世できないといった事情があるためでしょう。

とまあ、ここまでは「ピーターの法則」の紹介のようになってしまいましたが、私が検討したいのは、弁護士業にもこの法則は適用されるのかということなんです。

一般的には、弁護士は個人営業の世界です。そうしますと、ピーターの法則とは無関係に見えるのですが、どうもそうではないのではと思ったわけです。

というわけで、次回に続きます。


弁護士より一言


子供がまだ小さいですから、毎日なるべく早く家に帰るようにしています。しかし、やはり帰るのが遅くなる日もあるんですね。

朝仕事に行くときに、「今日は仕事で遅くなるから、ふみくんが寝たら帰ってくるよ。」と4歳になる息子に言いました。

いつもは遅くまで起きていたがる息子ですが、その日は、「パパに早く帰ってきて欲しいから、もう寝る。」といって、6時過ぎには自分から寝床に入ったそうです。

いずれは「父と子」の葛藤は避けられないにせよ、少しでも長く、パパを好きなままでいて欲しいと思ったのでした。

(2009年11月1日 第16号)

 

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