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ピーターと弁護士(2) 


前回は、弁護士にも「ピーターの法則」は適用されるかというところで終わりました。

世の中には非常に大きな法律事務所があります。こういう大型事務所ですと、組織の中で出世していきますので、ピーターの法則もそのまま当てはまりそうです。職人としては良い仕事をしていた弁護士が、人を使う立場になったときに、全く能力を発揮できないようなことはよく聞きますね。

しかし、日本の弁護士の大多数は、個人事務所なんです。組織での出世ということを除けば、このような弁護士の場合でも、立場が違ったことによって、それまでの能力を発揮できなくなるようなことは起こりそうです。
多くの弁護士は、まず居候弁護士(イソ弁と呼びます)としてスタートします。
ボスの事務所で仕事を覚えながら、独立の機会をうかがうわけです。

イソ弁の場合、ボスが取ってきた案件をこなしていくわけですね。もちろん、ここでも優秀な人とそうでない人は出てきます。ただ、これはあくまでも、法律案件の処理をすることについて、優秀かどうかの話しです。

ところが、ある程度仕事を覚えたので、いよいよ独立しようとなりますと、話が違ってきます。今度は零細企業主として、どうやって顧客を見つけて、維持していくのかという能力が求められますね。この能力は、それまでのイソ弁としての能力とは全く別のものです。

まあ、私みたいに人柄が良いのに加えて、「エスキモーに氷を売る」を読んでマーケティングの勉強をしたうえで、皆さんにニュースレターを出すなんて、商売上手?な弁護士ばかりじゃないわけです。
そんなわけでして、弁護士としての能力は優れていても、経営はうまくいかないので、独立したものの事務所を閉めて、よその事務所に入りなおすなどということもよく起こります。これが、弁護士についてのピーターの法則の適用となるでしょうか。

次に、独立がうまくいきますと、弁護士の仕事というのは、その後の発展性があまりないんですね。「大学、役所、会社にいれば、だんだんと役職も上がり、色々な仕事が出来るようになるが、弁護士は何時までたっても弁護士で、仕事の内容も独立した頃と同じようなものが続く。」なんて聞いたことがあります。

それが原因かはわかりませんが、弁護士の場合、選挙が大好きな人が多いんですね。弁護士会の選挙で副会長から会長を目指し、次は日弁連の選挙と、目の色を変えてやっている人がかなりいます。選挙に出るような人は、弁護士としてはそれなりの実績のある人なんですが、役員としての能力はまた別のようで、「日弁連の役員はろくなもんじゃない。」というのは、一般の弁護士の間では常識です。この辺にも、ピーターの法則が働くのかもしれません。

しかし、考えてみますと弁護士の場合、難しい試験に受かって弁護士になることと、弁護士としてお客様の期待に応える実務がこなせるのかという点に、そもそも相関関係があるのだろうか、と気になってきます。試験に受かる能力があったので、弁護士という地位に出世したわけですが、この点で、まさにピーターの法則が当てはまるのではというわけですね。

というわけで、この点について、もう1回だけ続けます。

 

弁護士より一言


私は昔から子供マンガが大好きなんですね。それでもかつては、「エスキモーに氷を売る」や「ピーターの法則」も読んでいたんですが、最近はもっぱらマンガばかり読んでいます。電車の中でも読むので、妻には恥ずかしいから止めるように言われています。

私自身、万が一依頼者にでも見つかったらかっこ悪いかな、と少しは気にしているのですが止められません。

先日たまたま年配の裁判官と話していたら、「いい年した若者が、電車の隣の席でマンガを読んでいた。これじゃ日本は駄目になる。本当にあきれた。」と、ご立腹されていました。まさか、「私も読んでます。」なんていう勇気がなかったものですから、「本当にあきれますねぇ。」と話しを合わせておいたのでした。

引き続きコメントや質問を楽しみにしております。
(2009年11月16日 第17号)

 

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