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弁護士のプラシーボ効果 

プラシーボというのは、偽の薬のことですね。
 
例えば新薬の効果について試験をするとします。いろいろな新薬について、効果を測定するわけです。このときに、偽の薬を測定試験に加えます。たとえば、単なるビタミン剤などですね。
 
面白いことに、本来は何ら効力の生じるはずのないビタミン剤でも、効果が出てきます。この薬は効くのだと信じて飲めば、本当に効いてくるわけです。こういうことを、プラシーボ効果と言います。まさに、「病は気から」ということがあるんですね。
 
お医者様に関しても、プラシーボ効果については、なかなか難しいところがあると思います。たとえば、風邪をひいて来院した患者さんに対して、どういう薬を出すかという問題ですね。
 
科学的に言えば、風邪のようなウイルスに対しては、抗生物質は何の役にも立たないそうです。しかし、多くの患者さんが、風邪についても抗生物質の処方を望んでいるわけです。
 
こういうときに、どうすれば良いのか、お医者様としても悩むところだと思います。もちろん、しっかり説明して、風邪には抗生物質は効かないと納得してもらうのがベストです。しかし、私自身もそうですが、そういう正論はなかなか心に響かないんですよね。
 
「なんだ、理屈ばかり言って、ケチな医者だな!」なんて思われてしまいそうです!
 
そこでお医者様として、抗生物質を処方するというのも一つの考えです。薬というのは、使う人が、「これは絶対に効くんだ!」と考えれば、本当に効くわけです。まさに「プラシーボ効果」です。私自身、かつて風邪のときに抗生物質を服用したら、本当に良くなったことがあります。科学的には役に立たない薬でも、処方することに意味はあるんですね!
 
弁護士の仕事についても、こういう問題は起こります。客観的には役に立たないことでも、依頼者が頼んできたときに、どうするかという問題です。
 
例えば、裁判をしているときに依頼者から、「こんな主張をしてほしい。」なんて言われることがあります。多いのは、感情的な主張ですね。相手が道義的にどんなに不当かといった主張です。そういう主張をしたいという気持ちは理解できるのですが、法的に見れば意味のない主張です。
 
その他に、他の案件でなら役に立つけれども、本件とは無関係といった主張もあります。これは良い主張だから、是非とも裁判所に出してほしいと、依頼者に頼まれます。まさに、風邪の場合に抗生物質の処方を依頼されるようなものでしょう。
 
こういう依頼に対して、多くの弁護士は、「やっても無駄ですよ。」と、説得するわけです。うちの事務所もそうでした。しかし、考えてみますと、依頼者は、法律についての「正しい」知識を得たいと思っているわけではないでしょう。弁護士の活動を信頼し、安心したいと思っているわけです。安心してもらう、それがまさに「プラシーボ効果」です。
 
客観的には役に立たないことでも、それがお客様の安心につながるのならば、十分に意味のあることかもしれません。弁護士として「プラシーボ効果」を、真剣に考えたいと思うのです。
 

弁護士より一言

 
4月から小学校2年生になる息子から手紙をもらいました。「いつもぼくのことをみまもってくれて、いままでありがとうございました。」(一瞬、家を出ていくお知らせかと思っちゃいました。)「ぼくはもう二年生です。」「これからは、はやおきがんばります。」
 
なんか、ジンときちゃいました。
私も真似して、皆様に一言。
 
「いつも当事務所を温かく見守っていただき、有難うございました。お陰様で、当事務所も開業7周年目を迎えました。これからも頑張って参ります。」
 
引き続きよろしくお願いいたします!!
    
(2013年4月1日 第98号)

 

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