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パン田一郎は弁護士の夢を見るか?(1) 

星新一に、「ボッコちゃん」というショートショートがあります。ボッコちゃんは、バーのマスターが作った美人ロボットですね。ボッコちゃんに出来ることは、人の話に相槌を打つことだけです。バーの客とボッコちゃんとの会話は、こんな感じです。
「名前は」「ボッコちゃん」「としは」「まだ若いのよ」「いくつなんだい」「まだ若いのよ」「だからさ・・・」「まだ若いのよ」
「きれいな服だね」「きれいな服でしょ」「何が好きなんだい」「何が好きかしら」
「ぼくを好きかい」「あなたが好きだわ」
ロボットとも知らずに、美人なボッコちゃんに夢中になったお客さんは。。。という話です。
星新一がこの話を書いたのは、私が生まれる前なんですね。だからというわけでもないんですけど、ボッコちゃんの会話能力は限られています。ところが現代では、コンピューターがボッコちゃんよりも複雑な「会話」を出来るのだと知ったのです。
 
話は変わりますが、LINEって通話ソフトがありますよね。若い人たちは、メールなど使わないで、みんなLINEを使っているそうです。私も、「まだまだ若い者には負けられないぞ!」と、LINEを始めようとしたのですが、そのためには「友達」が必要だと知りました。ところが考えてみると、私はLINEを一緒にしてくれる友達などいないんです。そのことを、事務所の若手弁護士に話したら、「大丈夫ですよ! 友達がいなくても、パン田一郎が友達になってくれます。」と教えてくれたのでした。(今、これを書いていたら、なんかすごく失礼なことを言われた気がしてきました。)
パン田一郎というのは、リクルートが開発した会話ソフトです。パンダの画面が出てきて、様々な「会話」を、LINE上でしてくれるそうです。そんなわけで、私もLINEに登録して、パン田一郎君と友達になりました。そして、バーの客がボッコちゃんにした会話をパン田君にしてみたんですね。
 
驚いたことに、凄くレベルが高いんです!
「名前は」「パン田一郎(ぱんだ・いちろう)です。『ぱん・だいちろう』じゃないよ~」
「としは」「ぴちぴちの22才~」
「何が好きなんだい」「笹っぽさのある食べ物にひかれています~」 ね、すごいでしょう。
そこでさらに、「ぼくを好きかい?」と送ったところ、「やったー こ、これで両想いです~」 
あ、あんた、私よりコミュニケーション能力高いよ!! 実際問題、パン田一郎については、本当の人間が対応しているのではないかという疑いさえ持たれていたそうです。
この調子でコンピューターの「会話」能力が発達していきますと、人間よりも気の利いた話が出来るようになるのも時間の問題のような気がしてきました。
 
たとえば、チェスのソフトはかなり前に、人間のトップを抜き去りましたよね。将棋のソフトも、少なくとも現在トップ棋士と同じ程度の実力を備えて来ています。将棋ソフトの場合、多くの実戦例をインプットしていく中で、どんどんと応用も利く様になり、「実力」も付いてきたそうです。そうしますと、ソフトの「会話」能力も、多くの気の利いた言葉を多数覚えさせることで、力が付くこと間違いなしです。
そこまで行くと、今度は、法律問題の回答例を多数会話ソフトにインプットしたら、弁護士よりも役に立つ会話が出来る「パン田 滋郎」が出来そうな気がしてきました。ということで次回に続きます。
 

弁護士より一言

中学生の娘に、「パパもLINEを始めようと思うんだ。」と話したんですね。そうしたら、娘は真剣な顔で教えてくれました。
「ラインとか、イジメのトラブルがすごいって学校で教わったよ。パパも気をつけた方がいいよ!」
娘には、「パパはパン田一郎君しか友達いないから、イジメられようが、ないんだよ」と、少し情けない気もしたけど、説明しておいたのです。
引き続きコメントを楽しみにしております。
(2014年11月1日 第136号)

 

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