弁護士の青い城

弁護士の青い城

ゴールデン・ウイークですので、当たり障りのない話にします。本日は、「青い城」です。「赤毛のアン」で有名なモンゴメリーの隠れた名作と言われている本です。通俗恋愛小説ですね。 

主人公のヴァランシーは29歳。結婚できないことを苦に病み、将来の生活の心配に押しつぶされながら暮らしていたんです。そんなある日、体調不良で診て貰った医師の間違いで、余命1年と診察されてしまうのです。あと1年しか生きられないとわかり、ヴァランシーは吹っ切れます。「絶望は解放。希望は束縛。」というわけです。(これって、名セリフですよね!) 
主人公は親の家を出て、住み込みで病人の看護の仕事をします。そういう中で、不思議な男性と親しくなります。浮世離れしているが、非常に魅力的な男性ですね。自分が余命わずかだということを告げて、ヴァランシーはその男性の妻にしてもらうわけです。 
結婚してから、男性の方もヴァランシーに惹かれていきます。実はその男性の正体は、といった、清々しいほどにご都合主義満載の、とても面白い恋愛小説です。(この連休のお供に、お勧めします!) 
 
この本の中で、とても印象に残る場面があるんですね。ヴァランシーが子供のころに、他の子供と共に、泥まんじゅうを作っていたときのことです。彼女は一人で、頑張って、自分の気に入る泥まんじゅうを作っていたのです。ところが、他のみんなは、ヴァランシーの美人の従妹が作る泥まんじゅうに、他の人のものも合体させて、凄く大きいのにしようなんて言い出すわけです。こういう余計なことを考える人って、どこの国にもいるんですね。すごく大きくて立派なものを、みんなで作った方が良いということです。 
主人公だけは、これに反対します。「何で大きくするのを手伝わないの?」と非難されると、「あたし、小さくても自分のが欲しいんだもの。」と、おずおずと答えるんです。 
 
話しは変わりますが、ビル街の中に、1軒だけ小さな木造の家が残っているようなことありますよね。都市の再開発などで、みんなが小さい土地を出し合って、大きなビルを建てて、そのビルの一部を代わりに貰うようなことがよく行われます。多くの人たちは、それに納得して、自分の家を放棄して、ビルの中の新しい住居や店舗に移っていくわけです。 
ところが世の中には、そういうのが絶対に嫌だといって、抵抗する人がいます。そういう人が出てくると、都市再開発などは、上手くできなくなるわけです。 
 
正直言いまして、私はこういう場面で、自分だけ反対する人のことは、困った人だなあと思っていたんです。より大きな建物に移れるんだから、それでいいじゃないかと思ってしまうんですね。 
しかし、こういう人は、「あたし、小さくても自分のが欲しいんだもの。」という、ヴァランシーと同じ気持ちの人なんでしょう。そう考えますと、むげにその望みを非難することはできないように思えます。 
弁護士としてそのような場面に遭遇したときには、少なくとも「小さくても自分のもの」を大切にする気持ちに共感できるようになりたいものです。 
何だか、強引に恋愛小説と弁護士業務を結び付けちゃいました。たわいない「青い城」のお話でした。 
 

弁護士より一言 

ハイキングシューズを買いに、専門店に行きました。
運動のため、日帰りのハイキングに行こうと考えたのです。シューズを選んだら、お店の人に厚手の靴下も必要と言われ、購入しました。ズボンも、汗をかいても重くならない専用のものを買い、さらに専用のリュックも買ったのです。 
そうしたら、「暗くなった場合を考えると、ヘッドライトも是非必要です!」なんて言われました。ヘ、ヘッドライトですか。さすがにそこまでは。。。 
事務所の若手に話したら「完全に食い物っすね」なんて失礼なことを言われました。この連休中に、重装備でハイキングに行こうと決意したのです! 
 
(2015年05月01日発行 第148号)
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