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弁護士のキャッチコピー

前号で、親鸞聖人のお言葉(善人なおもて往生をとぐ。いわんや悪人をや。)はキャッチコピーだという話を書きました。キャッチコピーの場合、理詰めで内容を追及されると、おかしなところが出てきます。しかし、自分の一番伝えたいポイントを、一番伝えたい人に届けることができるんです!

 例えば、山本常朝大先生の「葉隠」の、この言葉です。
「武士道と云ふは、死ぬ事と見つけたり。」

理詰めで考えれば、確かに変な言葉です。「すぐに諦めて、自殺するのが武士かよ?」「犬死にするが武士かよ!」なんて批判されることになります。しかし、300年前の武士達も、現代の私達も、9割の多数派は、なんだかんだ理屈を述べて、頑張るべきときに頑張らない人達なんです。そういう多数派の人達に向けて、「いつやるの?今でしょう!」「今、死ぬつもりでやってみろよ!」と突き付けたのが、常朝の言葉のはずです。(と、分かっていても私なんか、何だかんだ理屈をつけて、さぼってばかりですけど。。。)

考えてみますと、本の題名なんか、まさにキャッチコピーです。一冊の本には、様々な内容が入っています。それを、「正確」に表現する題名をつけようなんてしてはダメです。当たり障りのない、詰まらない題名になってしまいます。その本を読んで貰いたい読者に向けて、一番心に残る内容を「題名」とするわけです。
10年程前に、「負け犬の遠吠え」なんて本がベストセラーになりましたよね。高齢未婚女性の生活を面白おかしく書いた本です。この本について、内容を「正正確に」反映させた題名にしようなんて考えると、こんな感じになります。

「都市部における高学歴・高収入・高齢未婚女性の生活と意見」

こ、これじゃ、学術論文みたいです。ベストセラーにはなりませんね!しかし、弁護士の場合、「正確」が大好きな人が多数派です。理詰めで突っ込まれるような文章は、間違っても書きたくないという人達なんです。確かに、裁判所などに提出する文章なら、それも一理あるでしょう。しかし、世間の人に訴えるべき文章も、「正確」にするために、長々と説明したうえ、それでも足りずに「脚注」までつけちゃう人が沢山います。「誰」に向けて「何」を伝えたいのかという、目的意識がそもそもないとしか思えないんです。

私は、15年程サラリーマンをしてから、弁護士になりました。それだけに、弁護士という人たちが、世間の常識から外れているように思えたのです。そんな私が、独立開業以来、座右の銘とし、若手弁護士にも勧めている、自作?のキャッチコピーがこれです。

「弁護士と云ふは、サービス業と見つけたり!」

これに対して、「弁護士の社会的な意義を分かっていない!」なんて批判されても困るんです。お客様からお金を頂いているのに、お客様に対してまだまだ配慮が足りない9割の弁護士(私も含めて)に対しては、とても役に立つキャッチコピーだと信じています!
このニュースレターの題名を「企業の常識 弁護士の非常識」としたのも、同じような問題意識からです。会社勤務のときに学んだ「企業の常識」と比べて、多くの弁護士達の考えは「非常識」としか思えませんでした。「企業の常識」の立場から、「弁護士の非常識」は正しかった! そうは言いましても、現実のニュースレターの内容はそんな凄いものじゃなくて、弁護士生活について、当たり障りなく書いてるだけです。これじゃ、題名を変えた方が良さそうですね。

「負け犬弁護士の遠吠え」なんてどうでしょうか?

弁護士より一言

先日、中学3年生の娘から、いきなり聞かれました。「パパは生きていて、何が楽しいの?」 い、いきなりそんな質問ですか。 ううう。。。考えてみたところ私の正直な回答は、「仕事が早く終わったときに、『世間の人はまだ働いているな!』と思いながら、ビールを飲むこと!」だと、思い至ったのです。しかし娘には「事件がうまく解決して、お客様の笑顔を見ることだよ。」と答えておきました。                  
                                   (2016年5月16日 第173号)

 

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「企業の常識・弁護士の非常識」と題して、月2回発行している
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企業の法務部門での15年に及ぶ勤務経験から、企業の常識と弁護士の
常識には、かなり大きいギャップがあるのではと感じています。
企業の常識を持った弁護士として、多くの会社のお役に立てればと考えております。

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