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弁護士の99.9

最近、弁護士を主人公にしたドラマやアニメが沢山あると、子供たちが教えてくれました。私も、ちょっと見てみましたが、なかなか面白いのです。

「グッドパートナー」というドラマは、竹ノ内豊が演じる弁護士が、元妻の同僚と張り合いながら事件を解決していくストーリーです。主人公は、結構えげつないやり方で、「勝利」していくんですね。例えば相手方がタイムチャージの高い一流法律事務所を使用しているときには、わざと争点を拡大し、裁判を引き延ばして、相手方が弁護士費用の負担に耐えられなくなるのを待って、和解で解決するのです。(う、うちの事務所の弁護士費用は合理的お値段ですよ!)
そんなことをしていると、「弁護士のくせに!」と批判されたりします。すると、おもむろに弁護士バッジをはずして、「では、弁護士ではなく、一人の人間として言わせていただきます。」と開き直ります。これって、私もやってみたいんです。弁護士費用を請求するときなんかに使うといいですね。

「では、弁護士としてではなく、ひとりの人間として請求させてもらいます!」(あ、あほか。。。)

逆転裁判というアニメも、子供がよく見ています。裁判の途中で弁護士が、何度も威勢よく「異議あり!」と叫ぶんです。子供たちに「パパも裁判のときには、『異議あり!!』って叫ぶんだよね。カッコいいな。」なんて言われちゃいました。私の場合、刑事の裁判は、相当数やっていますが、まだ一度しか「異議あり!」なんて叫んだことないんです。ううう。。。
そして、松本潤主演の、「99.9-刑事専門弁護士-」です。日本の刑事裁判では、ひとたび起訴されると、99.9%の確率で有罪とされるわけです。そんな中で、残りの0.1%の無罪の可能性を追求する弁護士達の話です。このドラマの弁護士達は、本当に凄いんです。依頼者の無罪を証明するために、日本中を飛び回り、沢山の人達から直接話を聞きます。私みたいな零細事務所の経営者ですと、「そんなことしていたら、とてもじゃないけど経営が成り立たないだろうと!」と心配になってしまいます。ということは、どうでもいいのです。(だったら長々と書くなよ!)

本日私が指摘したかったのは、日本の刑事裁判で、起訴されると99.9%有罪となることの「意味」です。これについて多くの弁護士達が、「日本の裁判官は人権意識が低くて、国家権力の方に味方しているからだ。」なんて言っています。でも、それっておかしいだろうと、私は前々から思っていました。常識としてもおかしいし、私の弁護士としての経験から考えてもおかしいのです。常識で考えた場合、例えば受験生のうち99.9%が有名大学に合格する高校があったとしますよね。その理由として、試験官がその高校をひいきしていると考える人はまずいないでしょう。常識的な回答は、「その高校では、99.9%合格確実な生徒しか、有名大学への受験を許さないからだ。」と推理するはずです。刑事裁判で有罪率が99.9%だというのも、基本的には同じ理由なんです。確実に有罪だと思える事件しか、日本の検察は起訴しないのです。私は刑事弁護を沢山やっていますから、これまでに相当数、「え、この事件を起訴しないの?」と驚いた記憶があります。弁護士としては、ある意味嬉しいことです。しかし、「ひとりの人間」としてみた場合、「絶対に有罪の自信がなければ起訴しない!」という現状が本当に良いのか、疑問に思えてくるのでした。

弁護士より一言

小学校5年生の息子は、下ネタが大好きだと、少し前に書きました。先日、息子のお友達が沢山遊びに来ました。「運賃」「沈没」「うんちく」なんて言葉で直ぐに反応します。大人は気づかないところで、みんなでゲラゲラ笑うんです。妻が、「みんな、ウンとチンが本当に大好きね!」と言ったところ「異議なし!」とみんな本当に楽しそうです。
「異議あり!」と、よっぽど叫んでやろうと思ったのでした。。。
                                 (2016年6月1日発行 第174号)


 

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